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特急にちりん
787系

特急にちりん
基本情報
愛称 特急にちりん
形式 787系
区間 区間:小倉⇔ 宮崎空港駅間
デビュー 1968年10月1日
最高速度 130km/h
使用路線 鹿児島本線・日豊本線・日南線・宮崎空港線
関連サイト

宮崎方面

特急にちりんってどんな特急?どこからどこまで走っているの?

特急にちりんを簡単に紹介します。

区間:小倉⇔ 宮崎空港駅間

特急にちりんは、九州旅客鉄道(JR九州)が小倉駅・大分駅 – 佐伯駅・宮崎駅・南宮崎駅・宮崎空港駅間を、日豊本線・日南線・宮崎空港線経由で運行する特別急行列車である。

特急「にちりん」は、1968年10月1日に博多駅 – 西鹿児島駅(現・鹿児島中央駅)間を日豊本線経由で運行していた同名の急行列車を特急に格上げする形で運行を開始した。当時の日豊本線は幸崎駅以南が非電化であったためキハ80系気動車が使用された。その後、1972年に博多駅 – 大分駅間に485系電車を充当して1往復増発され、1974年4月25日に南宮崎駅まで電化区間が延長されたのを受けて485系充当の列車は宮崎駅まで延長された。

1975年3月10日のダイヤ改正では、「にちりん」は同日全線開業した山陽新幹線と小倉駅で接続する列車として位置づけられ、従来関西方面と日豊本線を直通していた特急「みどり」の九州内区間を編入する(「みどり」は翌年佐世保線の特急として列車名復活)などして8往復に増発され、同時にエル特急の指定を受けた。1979年に鹿児島駅までの日豊本線の全線の電化が完了したのを受け、翌年には気動車による運転を終了した。1982年11月15日のダイヤ改正では、夜行列車を除く日豊本線の優等列車が「にちりん」に統一された。

国鉄分割民営化以降は増発および大分駅発着列車を中心に新型車両の投入が進み、1993年頃までに博多駅 – 大分駅間と博多駅 – 南宮崎駅(一部はさらに西鹿児島駅まで運転)間がそれぞれ1時間あたり1本ずつの運行にほぼ統一された。この間下関駅・門司港駅発着の列車が設定された時期もあったが、博多駅発着への統一に伴い前者は1992年3月13日、後者は1997年3月21日をもってそれぞれ廃止された。

1995年4月20日に宮崎駅 – 西鹿児島駅間が「きりしま」として系統分割、1997年3月22日に博多駅 – 大分駅間の列車が「ソニック」として独立したことで「にちりん」は博多駅 – 南延岡駅・南宮崎駅・宮崎空港駅間の列車となったが、この頃から九州自動車道の全通により福岡市と宮崎市を結ぶ高速バス「フェニックス号」が大幅に時間短縮された影響で「にちりん」は特に大分駅 – 延岡駅間での利用不振が目立つようになっていた。そのため、2000年3月11日に「にちりん」は大分駅 – 延岡駅を廃止し、博多駅 – 大分駅間は「ソニック」に編入、延岡駅 – 宮崎駅間は「ひゅうが」として系統分割する形で大幅に本数が削減された。

その後、「にちりん」の本数自体は2000年3月10日以前の水準に回復していったが、2001年3月3日に小倉駅発着、2003年3月15日・2004年3月13日に別府駅発着に短縮された。2009年以降はさらに別府駅から大分駅発着への変更が進み、2012年3月17日に大分駅発着に統一された。2021年3月13日のダイヤ改正では再度日中の運転が削減されている。

このようにして、「にちりん」は従来の福岡県と大分県・宮崎県間の輸送、および山陽新幹線接続の役割から、大分県・宮崎県間の輸送、および宮崎空港へのアクセスへと役割を移していった(ただし「ソニック」と大分駅での接続の利便性を図ることで、従来の役割も一部残されている)。

特急にちりん列車名の由来
列車名の由来は、太陽を表す「日輪」を平仮名にしたものである。

特急にちりん号の走行路線データ

特急にちりん号はどの区間を走っているの?

運行線区
鹿児島本線・日豊本線・日南線・宮崎空港線

特急にちりん号主要区間料金表

特急にちりん号 主要区間の運賃・料金(博多発着 大人・片道・通常期)
(特急にちりん号普通車指定席)

区間 普通車自由席料金 普通車指定席料金 グリーン車席料金
日向市駅⇔宮崎駅 2,310円 2,840円 3,610円
延岡駅⇔宮崎駅 2,880円 3,410円 4,180円
延岡駅⇔宮崎空港駅 3,010円 3,540円 4,310円
小倉駅⇔大分駅 4,330円 4,860円 7,130円
大分駅⇔延岡駅 4,330円 4,860円 7,130円
大分駅⇔日向市駅 4,660円 5,190円 7,460円
大分駅⇔宮崎駅 6,470円 7,000円 10,660円
大分駅⇔宮崎空港駅 6,600円 7,130円 10,790円
大分駅⇔宮崎駅 8,760円 9,290円 12,950円

●特急「にちりん」号にご乗車になるには、運賃と特急料金があわせて必要です。
●主要区間料金表は運賃と特急料金の総額を表示しています。
●主要区間早見表は運賃と特急料金をそれぞれ表示しています。
●指定席特急料金は通常期の価格です。閑散期は200円引き、繁忙期は200円増し、最繁忙期は400円増しです。
●自由席は通年同額です。

特急にちりん 停車駅(小倉駅発着)

特急「にちりん」の停車駅は、小倉、行橋、宇島(一部は通過)、中津、柳ケ浦(一部は通過)、宇佐(一部は通過)、杵築(一部は通過)、亀川(一部は通過)、別府、大分、鶴崎、大在(大半は通過)、幸崎(一部は通過)、臼杵、津久見、佐伯、延岡、南延岡、門川(一部は通過)、日向市、都農(大半は通過)、高鍋、佐土原、宮崎神宮(大半は通過)、宮崎、南宮崎、宮崎空港駅です。

駅番号 駅名 駅の読み方 停車駅
小倉駅 こくら
行橋駅 ゆくはし
宇島駅 うのしま
中津駅 なかつ
柳ケ浦駅 やなぎがうら
宇佐駅 うさ
杵築駅 きつき
亀川駅 かめがわ
別府駅 べっぷ
大分駅 おおいた
鶴崎駅 つるさき
大在駅 おおざい
幸崎駅 こうざき
臼杵駅 うすき
津久見駅 つくみ
佐伯駅 さいき
延岡駅 のべおか
南延岡駅 みなみのべおか
門川駅 かどがわ
日向市駅 ひゅうがし
都農駅 つの
高鍋駅 たかなべ
佐土原駅 さどわら
宮崎神宮駅 みやざきじんぐう
宮崎駅 みやざき
南宮崎駅 みなみみやざき
宮崎空港駅 みやざきくうこう

●全列車停車、▲一部の列車が停車

特急にちりん号を割引きっぷで安く乗る方法

特急にちりん号の割引きっぷには、おもに以下のものがあります。

・九州ネットきっぷ・九州ネット早特3
・2枚きっぷ(指定席用)
・eきっぷ
・JR九州ジパング倶楽部(シニア限定)

九州ネットきっぷ

九州ネットきっぷは、JR九州のインターネット予約サイト「JR九州列車予約サービス」で販売しているネット限定の割引きっぷです。駅の窓口では販売していません。

九州ネットきっぷは、利用日当日でも購入でき、片道から利用できます。

このほか、「九州ネット早特3」もあります。こちらは3日前までに購入しなければなりません。

いずれも普通車指定席用とグリーン車用があります。設定区間と座席数は限定です。

九州ネットきっぷ価格(普通車指定席・グリーン車・大人片道)

区間 普通車指定席 グリーン車
小倉駅⇔大分駅 3,040円 5,740円
大分駅⇔宮崎駅 5,240円 9,330円
小倉駅⇔宮崎駅 5,760円 9,850円

※他にも設定区間があります

九州ネット早特3の価格(普通車指定席・グリーン車・大人片道)

区間 普通車指定席 グリーン車
博多駅⇔武雄温泉駅 2,500円 5,200円

※他にも設定区間があります

特急にちりん 2枚きっぷ

2枚きっぷは、2枚つづりの回数券です。乗車券と特急券がセットになっています。自由席用と指定席用があります。
指定席用と自由席用で設定区間が異なります。

2枚きっぷの価格

区間 価格 1枚あたりの価格
北九州市内⇔別府・大分駅 6,600円 3,300円

※他にも設定区間があります。

特急にちりん eきっぷ

「eきっぷ」は、インターネット予約限定の割引きっぷです。JR九州が発行元のクレジットカード、JQカードの会員限定で購入できます。

乗車券は別売です。下表では乗車券込みの価格を表示しています。

eきっぷの価格(片道・乗車券込み)

区間 普通車指定席 グリーン車
小倉駅⇔大分駅 4,330円 7,030円
大分駅⇔宮崎駅 6,470円 10,560円
小倉駅⇔宮崎駅 8,760円 12,850円

JR九州ジパング倶楽部(シニア向け)

JR九州ジパング倶楽部は、JR九州が運営しているシニア向けの会員制サービスです。男性が65歳以上、女性60歳以上の方なら誰でも入会できます。

JR九州ジパング倶楽部の特典の一つが鉄道料金の割引で、JR九州の新幹線・特急列車などに通常より2〜4割ほど安く乗車することができます。

なお、割引には片道・往復・連続で201km以上利用した場合という条件がついています。小倉〜宮崎、大分〜宮崎の場合は201km以上なので、片道でも割引が適用されます。

JR九州株主優待割引券

JR九州の株主優待割引券(株主優待券)は、JR九州が株主向けに発行している割引券です。優待券1枚で、JR九州の全路線が1日乗り放題になります。特急に乗車する場合は別途特急券が必要です。

特急にちりん 駅券売機・窓口

JRの駅にある『みどりの窓口・みどりの券売機』
旅行会社の窓口
インターネット予約サイト(e5489
インターネット予約サイトできっぷを購入する場合、きっぷの受け取り場所には注意が必要です。

スマートEXで予約
e5489ログインして予約
e5489ログインせず予約

特急にちりん 空席状況

特急『にちりん号』の最新空席状況は、JRサイバーステーションで確認(6時00分から23時50分まで)できます。座席単位の細かい空席状況まではわかりませんが、列車ごとの大まかな空席状況については確認できます。

特急にちりん号のデータファイル

【登場前:1964年10月1日改正】急行にちりん号登場
(急行ひかり号の愛称を新幹線に譲ったため)
 ●運転区間:博多~西鹿児島  運転本数:1往復
【1965年10月1日改正】愛称変更によりいったん消滅。
【1966年3月25日改正】 博多~西鹿児島で急行にちりん号復活
【登場時:1968年10月1日改正】
 運転区間:博多~西鹿児島  運転本数:1往復  使用車両:キハ80系
【1972年4月27日改正】
 博多~大分に、485系で1往復増発⇒2往復(電車1往復・気動車1往復)
【1974年4月25日改正(日豊本線南宮崎以北電化)】
 大分発着列車の運行区間を宮崎まで延長。特急おおよど号との共通運用開始。
【 同年11月1日】食堂車営業を終了。
【1975年3月10日改正(山陽新幹線全線開通)】
 6往復増⇒8往復に(電車7・気動車1)。エル特急に指定。
【1978年10月2日改正】イラスト・トレインマークを採用。
【1979年10月1日改正(日豊本線全線電化)】西鹿児島発着列車を1往復増発(485)。
 1往復だけは特急おおよど号と共通運用のためキハ80系気動車のまま変わらず。
【1980年10月1日改正】583系の使用開始(寝台特急彗星号の間合い使用)。特急おおよど号の廃止により電車化。
【1982年11月15日改正】急行列車の一斉格上げで、下り18・上り17本に。
【1984年2月1日改正】583系使用を終了⇒全列車485系化。
【1985年3月】ボンネット形にもイラスト・トレインマーク登場。
【1986年11月1日改正】下関~大分間の運行開始。
【1988年3月13日改正】一部を南宮崎発着列車登場。
【1990年3月10日改正】
 783系の使用開始⇒ハイパーにちりん号で運行。
【1992年7月15日改正】下関発着を廃止。
【1993年3月18日改正】787系使用の特急にちりんシーガイア登場、ビュッフェも営業。
 同時に787系ドリームにちりん号を博多~南宮崎間に運行開始。
【1995年4月20日改正】系統整理・分割により、宮崎(または南宮崎)以南を新設の特急きりしま号とする。
 883系の使用を開始し、ソニックにちりんとする。またハイパーにちりん号の愛称終了⇒にちりんに統合。
【1996年3月16日改正】783系での運用を終了。
【 同年7月18日改正(宮崎空港線開業)】南宮崎発着列車の一部を宮崎空港発着に変更。
【1997年3月22日改正】大分発着列車を特急ソニック号に変更。nichirin-re-b
【2000年3月11日改正】11往復から6往復に削減。にちりんシーガイア号とドリームにちりん号を783系に変更。
【2001年3月3日改正】全列車の運行区間を小倉~南宮崎・宮崎空港に短縮。にちりんシーガイア号1往復削減。
【2003年3月15日改正】特急にちりん号を6往復から8往復に増発。
【2004年3月13日改正】8往復から11往復に増発。一方、小倉発着の1往復以外全て別府発着とする。
【2004年7月1日改正】平日のみ運転で1往復増発。
【2005年4月1日改正】車内販売を中止。1往復増発⇒12往復
【2008年3月15日改正】特急にちりん号の全列車を別府・大分以南運転とする。
【2008年6月 】エル特急の種別を廃止。
【2009年3月14日改正】全車禁煙化。
【2011年3月12日改正】使用車両を787系・783系に変更。485系運用消滅。
 1往復を小倉発、上り博多行(にちりんシーガイアに変更)に延長。
 ⇒特急にちりん下り13本・上り12本。特急にちりんシーガイア号下り1本・上り2本。
 ドリームにちりん号廃止。
【2012年3月17日改正】別府発着をすべて大分発着に変更。
【2014年9月30日】車内販売サービスを終了。自販機の設置にて対応(11月30日設置完了)
【2017年3月4日改正】ワンマン運転を開始。
【2025年4月1日】
 別府駅・大分駅で「ソニック」に乗り継ぐ際の特急料金通算特例を廃止。北九州空港へのアクセス利便性向上のため、「にちりんシーガイア5号」が朽網駅に停車するようになる