日本の鉄道技術を後世に

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105系

105系
基本情報
形式 105系
デビュー 1981年2月11日(福塩線)
最高速度 100km/h
運行区間 山陽線(岡山-福山)
福塩線(福山-府中)
使用路線 福塩線
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105系電車(105けいでんしゃ)は、日本国有鉄道(国鉄)が1981年(昭和56年)から製造した直流通勤形電車である。国鉄分割民営化後は東日本旅客鉄道(JR東日本)と西日本旅客鉄道(JR西日本)に承継された。
1984年の奈良線・和歌山線五条駅 – 和歌山駅間・紀勢本線和歌山駅 – 和歌山市駅間(奈良電車区配属)の電化開業用および可部線(広島運転所配属)の旧形電車置き換え用のグループである。

105系改造車(西日本地区向け)

1984年の奈良線・和歌山線五条駅 – 和歌山駅間・紀勢本線和歌山駅 – 和歌山市駅間(奈良電車区配属)の電化開業用および可部線(広島運転所配属)の73系置き換え用のグループである。

当時、折からの国鉄改革により設備投資が抑制されていたことからローカル線区向け車両の新造ができず、203系の投入で常磐緩行線から捻出された103系(1000番台、一部0番台も)と阪和線で余剰になっていたサハ103-66を活用して奈良線・和歌山線用に48両、可部線用に13両の計61両が改造され、
前者は奈良電車区に、後者は広島運転所に配置された。
改造工事は大井・大船・長野・名古屋・吹田・広島・幡生・新津の各車両工場にて施工された。

車体は改造種車の103系のものを流用しており、新規製造車グループとは異なる片側4扉の車体となっている。
制御機器は新調しており、台車や主電動機も元々同型であるため、両グループの性能は同一で相互の併結・混結も可能である。

なお、客用扉の自動・半自動の切換えについては、種車である103系のドアエンジンの構造上対応が困難なため、奈良電車区配置車両は通年自動扱い、広島運転所配置車両は通年半自動扱いとされた。

広島の車両については、新造車グループと併結した場合に相手方の自動・半自動の切換えが行えるよう、運転台に切換えスイッチを設けている。

上述の通り車体も運転台取り付け以外は流用しているため、屋根コンタは103系のものであり、肩部から順に250R・1,000R・2,500R・5,000Rとなっている。

種車の103系で未装備であった側面行先表示器は、車体の改造が大きくなるため装備されず、前面の行先表示器は基本的に手動操作となった。

電動発電機(MG)は、種車のモハ102形1000番台が装備していた10kVAのMH124-DM77形を流用したが、32両分の必要数に対して21両分しか捻出できないため、
不足分は新規製造車グループ同様の20kVAのMH97A-DM61A形で補われた。

線区ごとに機種統一を図るため、奈良・和歌山線向けは10kVA、可部線向けは20kVAに振り分けられている。

電動空気圧縮機は、101系の廃車発生品であるMH80A-C1000形を使用した。
応荷重装置は種車の103系1000番台の測重弁方式ものを流用し、0番台からの改造車も従来のブレーキ力調整弁方式から測重弁方式に改造されている。

主抵抗器は新造車同様に自然冷却式のMR147形であるが、抵抗体の仕様と搭載MGの違いにより形式が分けられた。

従来の新造車では形式がMR147-G1形とされ、改造車では20 kVAのMG搭載車では限流抵抗器を2個から1個に変更したMR147-G2形が搭載されたが、10 KVAのMG搭載車では直列抵抗がMGに内蔵されているため、直列抵抗器を省略したMR147-G3形が搭載されている。

外観の差異として、抵抗箱の個数が20 kVAのMG搭載車で9個、10 kVAのMG搭載車で8個となっている。

奈良線・和歌山線向けの改造車には自動解結装置と電気連結器を設けた。この解結装置は117系用のものを簡素化し、改造工事による取付を容易にしたものである。

外部塗装は奈良・和歌山線向けがクリーム1号をベースに朱色3号の帯入り、可部線向けが朱色1号の単色となった。

105系福塩線 先頭車化改造

福塩線の輸送改善に際して、モハ105形・サハ105形は1984年(昭和59年)と1985年(昭和60年)に新造車と同一の運転台を取り付ける改造が実施され、それぞれクモハ105形とクハ104形に編入された。

新造車とは前面の手すりの位置や乗務員室側扉直後の窓配置が異なり、乗務員扉と客用扉の間には幅723mmの戸袋窓のみが設置されている[13]。工法は前述した完成済みの運転台ブロックを既設構体に接合する工法である(ブロック接合工法)。

番号は新造車の続番で、新旧対照は次の通り。

モハ105-1 – 4 → クモハ105-28 – 31
サハ105-1 – 4 → クハ104-26 – 29

105系 運用

下関総合車両所岡山電車支所所属105系F編成

運用線区:山陽線(岡山-福山)、福塩線(福山-府中)

JR西日本105系電車基本情報

105系 改造車(西日本向け)
105系基本編成
基本情報
走行区間 福塩線 福山駅-府中駅
運用者 日本国有鉄道
西日本旅客鉄道
製造所 国鉄長野工場、名古屋工場、吹田工場、幡生工場ほか
導入年 1981年 – 1990年
運用開始 1981年2月11日(福塩線)
1981年3月19日(宇部・小野田線)
1984年10月1日(奈良線・和歌山線)
1984年5月26日(可部線)

投入先 福塩線
主要諸元
編成 2両編成
軌間 1,067mm(狭軌)
電気方式 直流 1,500 V(架空電車線方式)
最高運転速度 100 km/h
設計最高速度 100 km/h
起動加速度 2.0km/h/s
減速度(常用) 3.5 km/h/s
減速度(非常) 5.0 km/h/s
編成定員 基本編成 – 136人(座席48人)
(クモハ105形500番台、クハ105形、104形)
編成自重 クモハ105形500番台:41.2 t
クハ105形:29.9 t
クハ104形:30.0 t
全長(最大寸法)
(長・幅・高)
全長20,000 mm 全幅2,800 mm(最大幅2,870 mm)
全高3,674 mm(集電装置折りたたみ時:新造車4,200 mm、改造車4,140 mm)
車体 普通鋼
台車 軸箱守(ペデスタル)方式(ウイングバネ)台車
DT33・TR212・TR201・TR21T
主電動機 直流直巻電動機
MT55A形(新造車)・MT55形(改造車)
主電動機出力 110 kW
駆動方式 中空軸平行カルダン駆動方式
歯車比 91:15 (6.07)
制御方式 抵抗制御(永久直列)・弱め界磁
制御装置 CS51形電動カム軸式主制御器
制動装置 発電ブレーキ併用電磁直通空気ブレーキ
保安装置 ATS-SW