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特急やくも
273系

特急やくも
基本情報
愛称 特急やくも
形式 273系電車
区間 岡山駅⇔米子駅
デビュー 1972年3月15日
最高速度 120km/h
使用路線 山陽本線・伯備線・山陰本線
関連サイト

米子方面

特急やくもってどんな特急?どこからどこまで走っているの?

特急やくもを簡単に紹介します。

区間:岡山⇔米子
特急やくもは、西日本旅客鉄道(JR西日本)が岡山駅 – 出雲市駅間を山陽本線・伯備線・山陰本線経由で運行している特別急行列車である。

特急「やくも」は1972年3月に、山陽新幹線岡山開業に伴って岡山駅経由が京阪神・山陰地方中部間の最速ルートとなったことから、岡山駅 – 出雲市駅・益田駅間を結ぶ気動車特急として運転を開始した。1975年3月には「エル特急」に指定されたが、電車による運転がない列車が指定を受けるのは初めてのことであった。

1982年7月に伯備線全線と山陰本線伯耆大山駅 – 知井宮駅(現在の西出雲駅)間の電化により電車での運転が開始され、これと引き換えに益田駅発着の列車を廃止した。

1988年には瀬戸大橋線経由の臨時列車として高松駅発着の列車が、1990年には国際花と緑の博覧会(花の万博)への輸送対策として大阪駅 – 岡山駅間を延長運転した列車が運転された。

1994年12月3日に「やくも」のうち速達列車の列車名を「スーパーやくも」に変更したが、 2006年3月18日に「スーパーやくも」の列車名を廃止し、「やくも」に再統一された。2010年3月13日には「エル特急」の呼称が終了されている(ただし、381系のヘッドマークおよび字幕式種別・行先表示器にはLマークが残されていた)。

列車名の由来

列車名「やくも」は島根県東部の旧国名である出雲にかかる枕詞の「八雲立つ」(やくもたつ)に因む。そのためか、島根県の東部を発着する列車に命名される事例が多い。

1959年9月には米子駅 – 博多駅間を山陰本線・山陽本線・鹿児島本線経由で運行する準急列車に使用され、1965年11月には新設された新大阪駅 – 浜田駅間(福知山線・山陰本線経由)の特急に使用されるようになったが、1972年3月に山陽新幹線の岡山開業によって伯備線経由の特急に使用されることになった。

特急やくも号の走行路線データ

運行線区
山陽本線・伯備線・山陰本線

特急やくも号主要区間料金表

特急やくも号 主要区間の運賃・料金(岡山発着 大人・片道・通常期)
(特急やくも号 普通車自由席・普通車指定席)

区間 普通車自由席料金 普通車指定席料金 グリーン車席料金
岡山駅⇔備中高梁駅 1,620円 2,150円 2,920円
岡山駅⇔新見駅 2,720円 3,250円 4,020円
岡山駅⇔米子駅 4,840円 5,370円 7,640円
岡山駅⇔松江駅 5,610円 6,140円 8,410円
岡山駅⇔出雲市駅 6,490円 7,020円 10,680円

●特急「やくも」号にご乗車になるには、運賃と特急料金があわせて必要です。
●主要区間料金表は運賃と特急料金の総額を表示しています。
●主要区間早見表は運賃と特急料金をそれぞれ表示しています。
●指定席特急料金は通常期の価格です。閑散期は200円引き、繁忙期は200円増し、最繁忙期は400円増しです。
●自由席は通年同額です。

特急やくも 停車駅(岡山駅発着)

特急「やくも」の停車駅は、岡山、倉敷、総社(一部は通過)、備中高梁、新見、生山(一部は通過)、根雨(一部は通過)、伯耆大山(一部は通過)、米子、安来、松江、玉造温泉(一部は通過)、宍道(一部は通過)、出雲市駅です。

駅番号 駅名 駅の読み方 停車駅
岡山駅 おかやま
倉敷駅 くらしき
総社駅 そうじゃ
備中高梁駅 びっちゅうたかはし
新見駅 にいみ
生山駅 しょうやま
根雨駅 ねう
伯耆大山駅 ほうきだいせん
米子駅 よなご
安来駅 やすぎ
松江駅 まつえ
玉造温泉駅 たまつくりおんせん
宍道駅 しんじ
出雲市駅 いずもし

●全列車停車、▲一部の列車が停車

特急やくも号を割引きっぷで安く乗る方法

特急やくも号の割引きっぷには、おもに以下のものがあります。

・ Web早特7・Web早特14
・ チケットレス特急券・eチケットレス特急券
・ WESTERポイント特典チケットレス
・ eきっぷ
・ 北陸観光フリーきっぷ(JR東海)
・ JR西日本の株主優待券
・ 学生割引(学生限定)

Web早特

Web早特7とWeb早特14は、JR西日本のインターネット販売専用の割引きっぷです。予約サイト「e5489」で購入できます。会員登録は無料です。

特急「やくも」の普通車指定席に乗車できます。Web早特7は乗車日の7日前まで、Web早特14は乗車日の14日前までの販売です。設定区間と座席数は限定です。

特急サンダーバード号Web早特
Web早特の価格(大人片道)

区間 Web早特7 Web早特14
岡山駅⇔米子駅 おとな:4,820円 おとな:4,290円
岡山駅⇔松江駅 おとな:5,510円 おとな:4,900円
岡山駅⇔出雲市駅 おとな:6,310円 おとな:5,610円

※他にも設定区間があります。

チケットレス特急券・eチケットレス特急券

「チケットレス特急券」「eチケットレス特急券」は、特急列車のチケットレスサービスの割引きっぷです。e5489で購入できます。普通車指定席用とグリーン車用があります。

「チケットレス特急券」は、e5489に会員登録すれば誰でも購入できます。「eチケットレス特急券」は、「J-WESTカード」会員のみが購入できます。当日まで購入できます。

いずれも乗車券は別売です。下表では乗車券込みの価格を表示しています。

特急やくも号 チケットレス特急券の価格(普通車指定席・乗車券込み)

チケットレス特急券・eチケットレス特急券の価格(普通車指定席)

区間 チケットレス特急券 eチケットレス特急券
岡山駅⇔米子駅 5,170円 4,730円
岡山駅⇔松江駅 5,940円 5,500円
岡山駅⇔出雲市駅 6,820円 6,380円

※他にも設定区間があります。

チケットレス特急券・eチケットレス特急券の価格(グリーン車席)

区間 チケットレス特急券 eチケットレス特急券
岡山駅⇔米子駅 7,640円 6,770円
岡山駅⇔松江駅 8,410円 7,540円
岡山駅⇔出雲市駅 10,680円 9,670円

※他にも設定区間があります。

eきっぷ

「eきっぷ」は、インターネット予約限定の割引きっぷです。JR西日本のe5489で販売します。「J-WESTカード会員」が購入できます。

乗車券は別売です。下表では乗車券込みの価格を表示しています。

eきっぷの価格(片道・乗車券込み)

区間 普通車指定席料金 グリーン車席料金
岡山駅⇔米子駅 4,840円 7,110円
岡山駅⇔松江駅 5,610円 7,880円
岡山駅⇔出雲市駅 6,490円 10,150円

JR西日本株主優待割引券

JR西日本の株主優待割引券(株主優待券)は、JR西日本が株主向けに発行している割引券です。駅の窓口できっぷを購入する際に、株主優待割引券1枚を提出すると、運賃・料金がそれぞれ5割引になります。

学生割引(学割)

学生割引(学割)は、JRから指定を受けた学校の生徒を対象に、JRの運賃が2割引になるという制度です。中学、高校、大学は学割の対象になります。専門学校も多くは学割の対象になります。

学割が利用できるのは、片道101km以上のJR線を利用する場合です。割引内容は、運賃が2割引です(特急券は割引なし)。学割を利用するには、所属する学校が発行する「学生・生徒旅客運賃割引証」(学割証)が必要です。

「やくも」の場合、岡山駅起点で生山以遠で学割が適用されます。岡山~米子、松江、出雲市間などは適用範囲です。

ジパング倶楽部(シニア限定)

ジパング倶楽部はJRが運営しているシニア向けの会員制サービスです。男性が65歳以上、女性60歳以上、または夫婦どちらかが65歳以上なら入会できます。年会費は3,840円、夫婦会員なら6,410円です。

ジパング倶楽部の特典の一つが鉄道料金の割引で、JRの新幹線・特急列車などに通常より2〜3割ほど安く乗車することができます。なお、割引には片道・往復・連続で201km以上利用した場合という条件があります。

特急 やくも 駅券売機・窓口

JRの駅にある『みどりの窓口・みどりの券売機』
旅行会社の窓口
インターネット予約サイト(e5489
インターネット予約サイトできっぷを購入する場合、きっぷの受け取り場所には注意が必要です。

スマートEXで予約
e5489ログインして予約
e5489ログインせず予約

特急 やくも号 空席状況

特急『やくも号』の最新空席状況は、JRサイバーステーションで確認(6時00分から23時50分まで)できます。座席単位の細かい空席状況まではわかりませんが、列車ごとの大まかな空席状況については確認できます。

特急やくも号のデータファイル

【登場時】1972年3月15日改正
 運転区間:岡山~出雲市・益田  運転本数:4往復  使用車両:キハ181系
【1973年(昭和48年)10月1日】特急「やくも」が6往復に増発
【1975年3月10日改正】気動車特急初のエル特急に指定される。
 「しんじ」を米子、益田両駅で系統分割し、伯備線を経由するものは岡山駅 – 米子駅間に区間短縮の上、「伯耆」(ほうき)に改称され、列車愛称廃止。
【1982年7月1日改正】伯備線および山陰本線一部電化に伴いキハ181系終了⇒381系電車化。食堂車廃止。すべて出雲市発着の8往復に。
「やくも」の運転区間が岡山駅 – 出雲市駅間とし、益田駅発着の列車が廃止。
 大田市駅、江津駅、浜田駅が停車駅から外れる。
 総社駅・井倉駅・宍道駅が停車駅に追加された。
「伯耆」停車駅の伯耆溝口駅・伯耆大山駅は通過。
【1985年(昭和60年)3月14日】特急「やくも」が備中高梁駅に全便停車。
【1986年(昭和61年)11月1日】
 「やくも」が1往復増発され、9往復になる。「やくも」17号は岡山駅 – 知井宮駅間に運転区間が延長される(米子駅 – 知井宮駅間は普通列車)。
【1987年(昭和62年)11月】
 知井宮駅発着列車が増発。なお、増発列車は臨時普通列車とした。
【1988年4月10日改正】臨時列車として高松発着のマリンやくも号を運行。
【1990年3月10日改正】120km/hでの運転を開始。
【1991年】出雲市~知井宮間(1本を除き)廃止。マリンやくも号も廃止。
【1992年(平成4年)3月14日】
「やくも」が1往復増発され10往復になる(岡山発知井宮行きは19号に変更)
【1994年12月3日改正】速達列車スーパーやくも号登場(4往復)。それとは別に、やくも号は9往復になる。
【1995年(平成7年)12月】「出雲」1号の運行経路が、再び山陰本線経由になる。
【1996年(平成8年)3月16日】
 臨時特急「アタッシュやくも」が平日の松江発朝5時台上りと岡山発夜22時台下りに設定される。
【1997年3月22日改正】14往復に増発。全列車、岡山~出雲市間で運転されるようになる。
【1997年11月29日】「スーパーやくも」が7往復に増発され、「やくも」と「スーパーやくも」が交互に1時間ピッチで運転されるようになる
【1998年3月14日改正】スーパーやくも号7往復とやくも号8往復、合計15往復になる。
【2002年3月16日】
 3月16日・3月30日・4月27日にキハ181系気動車(後藤総合車両所に配置されていた国鉄色の車両)の営業運転終了を記念して、同車を使用したリバイバルトレインとして「リバイバルやくも」が各日1往復運転される
【2006年3月18日】スーパーやくもを廃止し、やくも号に統一。⇒15往復。
【2006年3月18日】すべての「やくも」にグリーン車が連結されるようになる。
【2006年3月18日】生山駅・根雨駅は千鳥停車(選択停車)するようになり、所要時間が平均化。
【2006年3月18日】井倉駅への停車を取り止め。
【2007年4月3日改正】381系のリニューアル編成《ゆったりやくも》を運転開始。
【2008年3月15日】備中高梁駅に臨時停車していた、上記の下り3本、上り2本が正式に停車するようになる。このほか、下り列車の岡山発の時間が毎時50分(7・9時台を除く)から、毎時5分(21時台を除く)に見直し。
【2009年6月1日】一部列車に設置の喫煙ルームが廃止され、全車禁煙化
【2009年9月30日改正】車内販売の営業を終了。
【2010年3月】エル特急種別の廃止。
【2010年8月2日】全列車ゆったりやくも編成に。
【2018年7月豪雨災害】伯備線において土砂流入および変電所水没などの被害が出た。1か月以上を要すると思われた復旧作業が7月中に完了。8月1日から運転再開となった。
【2021年2月】コロナ禍による利用者の大幅減により15往復から一気に8往復に削減。
【2022年2月16日】新型車両による置き換えが発表された
【2022年3月】国鉄色リバイバルやくも号開始。
【2022年3月19日】特急「やくも」が現在の伯備線で運転を開始してから2022年3月で50周年を迎えるのを記念し、「国鉄色」をまとったリバイバル編成が運転を開始した
【2023年2月17日】スーパーやくもリバイバル塗装開始。
【2023年3月16日】JNRマークも再現。
【2024年3月16日】ダイヤ改正により全車指定席となる
【2024年4月6日】新型車両273系が運転開始。同日以降、6月までに4両11編成を投入し、
381系の定期運用が終了。
【2024年6月15日】381系の定期運用が終了。2024年8月9~18日の間と、同年12月27日~25年1月5日までの間では臨時列車として走る